2016年8月22日
コダック合同会社
[リリースNo.16-26GE]
コダック、継続事業部門の増収で黒字転換
米国ニューヨーク州ロチェスター、2016年8月9日(火)発
イーストマン・コダック社(ニューヨーク証券取引所銘柄コードKODK:以下コダック)が2016年度第2四半期(6月期)の決算報告を行いました。今回の報告では、継続事業部門における一般会計原則ベースでの増収などを受けて、黒字転換を果たしたことが焦点になっています。
業績概要
コダックCEO(最高経営責任者)のジェフ クラークは、次のように述べています。
「黒字転換が果たせたこと、ならびに利益の内容が確実に改善していることを嬉しく思います。全体の売上が落ちても、Sonoraプレート事業、Flexcel NXシステム事業、映画フィルム事業は伸びています」
当期売上は前年同期から9%減の3億9,700万ドルでした。その主な要因としては、プリント システムズ事業部における前年同期からの価格低下ならびに機器の売上減に加え、当初から予測されていたように、従来商品であるコンシューマー向けインクジェットプリンタカートリッジの売上減が続いたことが挙げられます。
当期純利益は、前年同期から3,100万ドル改善して800万ドルとなりました。営業活動EBITDAは、当初から予測されていたコンシューマー向けインクジェット事業の営業活動EBITDA(本社費用配賦前)の減少を除くと、為替インパクトを除いた実質ベースで前年同期比29%増となりました。その主な要因としては、主力事業における生産性向上とコスト改善が挙げられます。
現金残高は、前年同期の3,300万ドル減に対して、当期末の時点では変動がありません。今年度の上半期(6月期)を見ると、営業活動に伴う現金支出は前年同期から7,400万ドル改善しました。
コダックCFO(最高財務責任者)のデビッド ブルウィンクルは、次のように述べています。
「改善傾向は当期のキャッシュフローに加え、貸借対照表にもはっきりと表れています。今年も全力でキャッシュを創出します」
コダック最大の事業部であるプリント システムズ事業部(PSD)の当期売上は、前年同期から9%減の2億5,800万ドルとなりました。営業活動EBITDAは、前年同期から200万ドル(10%)増の2,200万ドルでした。為替インパクトを除いた実質ベースでは15%改善しています。
Kodak Sonoraプレートの当期販売量は約8%増となりました。経済的・外的要因の影響を受けた中南米を除くと、Sonoraプレートの販売量は前年同期比で17%増となります。
PSDの電子写真印刷ソリューション(EPS)事業の当期利益は、当初から予測されていたように、drupaへの新製品登場に伴う顧客の様子見で機器導入実績が低迷したものの、生産性向上およびコスト改善により前年同期並みとなりました。
エンタープライズ インクジェット システムズ事業部(EISD)の当期売上は、前年同期の2,100万ドルから1,900万ドルに減少しました。営業活動EBITDAは前年同期から横ばいの500万ドルとなっています。
Prosper事業の業績は今期も順調に推移しました。上半期の実績は、drupa関連の投資300万ドルを含めても赤字が2,500万ドルから1,600万ドルに改善し、ProsperのEBITDAも前年同期から800万ドル改善しました。
マイクロ3Dプリンティング&パッケージング事業部(MPPD)は、コダックにとって重要な成長分野であるKodak Flexcel NXパッケージング事業の好業績に後押しされ、順調に業績を上げました。当期売上は前年同期の3,300万ドルに対して3,500万ドルとなっています。営業活動EBITDAは200万ドル減となりましたが、これは為替レートのマイナス影響、drupaへの投資、研究開発費の増大などによるものです。
Flexcel NXパッケージング事業の当期売上は7%増、CTP機の導入実績は12台となりました。Flexcel NXプレートの販売量は前年同期から16%伸びています。
MPPDでは引き続き銅メッシュ タッチセンサーに注力しており、今期はAll-in-One OEM顧客1社への製品供給を行いました。
ソフトウェア&ソリューションズ事業部(SSD)の当期売上は前年同期の2,700万ドルから2,100万ドルに減少し、営業活動EBITDAは300万ドル減のマイナス200万ドルとなりました。SSDの実績には、中南米で政府との契約が遅れたこと、またdrupaの開催に伴い受注が遅れたことが影響しています。
コンシューマー&フィルム事業部(CFD)の当期売上は、前年同期の6,600万ドルから8%減の6,100万ドルとなりました。営業活動EBITDAは、工業用フィルムの大口受注などにより800万ドルから1,000万ドルに改善しています。39%の売上減となったコンシューマー向けインクジェット事業を除くと、CFDの当期売上は200万ドル改善しています。
知的財産ソリューションズ事業部(IPSD)の当期営業活動EBITDAは、前年同期のマイナス600万ドルから200万ドル改善してマイナス400万ドルとなりました。これは、研究プロジェクトの優先順位を見直す取り組みを続けてきたことの成果と言えます。今期、コダックはeコマース大手アリババグループとのブランド保護技術を中心としたパートナーシップ締結に参加するとともに、3D印刷テクノロジー企業のCarbon3D社とも契約を結んでおり、これがIPSDの収益改善につながっていくと見込まれます。
イーストマン ビジネス パーク事業部(EBPD)の当期売上は前年同期の400万ドルから300万ドルに減少し、営業活動EBITDAも前年同期から100万ドル減の100万ドルとなりました。EBPDは全般に経営効率を高めてきており、入居希望企業数も増加傾向にあります。
2016/Q2と2015/Q2の売上と営業活動EBITDAの比較
(単位:100万ドル)
2016/Q2実績 |
PSD |
EISD |
MPPD |
SSD |
CFD |
IPSD |
EBPD |
EK合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
売上 |
258 |
19 |
35 |
21 |
61 |
- |
3 |
397 |
営業活動EBITDA(本社費用配賦前) |
34 |
6 |
4 |
- |
13 |
-4 |
1 |
54 |
販売費および本社費用 |
12 |
1 |
2 |
2 |
3 |
- |
- |
20 |
営業活動EBITDA |
22 |
5 |
2 |
-2 |
10 |
-4 |
1 |
34 |
2015/Q2実績 |
PSD |
EISD |
MPPD |
SSD |
CFD |
IPSD |
EBPD |
EK合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
売上 |
283 |
21 |
33 |
27 |
66 |
- |
4 |
434 |
営業活動EBITDA(本社費用配賦前) |
34 |
6 |
6 |
3 |
11 |
-6 |
2 |
56 |
販売費および本社費用 |
14 |
1 |
2 |
2 |
3 |
- |
- |
22 |
営業活動EBITDA |
20 |
5 |
4 |
1 |
8 |
-6 |
2 |
34 |
2016/Q2と2015/Q2の実績比較:+/- |
PSD |
EISD |
MPPD |
SSD |
CFD |
IPSD |
EBPD |
EK合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
売上 |
-25 |
-2 |
2 |
-6 |
-5 |
- |
-1 |
-37 |
営業活動EBITDA(本社費用配賦前) |
- |
- |
-2 |
-3 |
2 |
2 |
-1 |
-2 |
販売費および本社費用 |
2 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
2 |
営業活動EBITDA |
2 |
- |
-2 |
-3 |
2 |
2 |
-1 |
- |
2016/Q2の為替インパクトを除いた実質ベース実績と2015/Q2実績の比較:+/-¹ |
PSD |
EISD |
MPPD |
SSD |
CFD |
IPSD |
EBPD |
EK合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
売上 |
-27 |
-2 |
2 |
-6 |
-4 |
- |
-1 |
-38 |
営業活動EBITDA |
3 |
- |
-1 |
-3 |
3 |
2 |
-1 |
3 |
¹為替インパクトは、2016年6月30日までの3ヶ月間の実際の外為レートでなく、2015年6月30日までの3ヶ月間の平均外為レートに基づく2016年の為替インパクトです。
※本プレスリリースは米国イーストマン・コダック社より2016年8月9日付けで配信された英文のプレスリリースの日本語訳です。