2016年4月6日
コダック合同会社
[リリースNo.16-13GE]
コダック、2015年度第4四半期および通期決算発表
通期目標を上回る利益を達成
米国ニューヨーク州ロチェスター、2016年3月15日(火)発
イーストマン・コダック社(ニューヨーク証券取引所銘柄コードKODK:以下コダック)が2015年度第4四半期および通期の決算報告を行いました。今回の報告では、通期予測を上回る利益の達成ならびに組織体制変革の大きな進展が焦点になっています。
業績概要
2016年度予測
コダックCEO(最高経営責任者)のジェフ クラークは、次のように述べています。
「2015年度の実績には満足しています。営業実績が順調に推移したことから、営業活動EBITDAが通年予測を上回りました。コスト削減も予測を上回り、利益を押し上げる形になっています」
2015年度第4四半期の売上は、前年同期から12%減の4億6,700万ドルとなりました。為替インパクトを除いた実質ベースの売上は、前年同期から7%減となっています。この減少の主な要因としては、当初から予測されていたように、従来商品であるコンシューマー向けインクジェットプリンタカートリッジの売上減が続いたこと、そして前年度に得られたワンタイムのライセンス収入ならびにプリント システムズ事業部で行われたデジタルプレートの価格低下等が挙げられます。
コダックCFO(最高財務責任者)のジョン マクマレンは、次のように述べています。
「新事業部体制での運営はうまくいっていますし、今後の成長に向けて主力事業に求められる進化も遂げてきています。かなり大胆な経費削減目標もクリアしつつあり、成長への投資そして持続的な収益力の回復に必要な体制と実力が整ってきたと思います」
コダック最大の事業部、プリント システムズ事業部(PSD)の2015年度第4四半期の売上は、前年同期から11%減の2億9,200万ドルとなりました。営業活動EBITDAは前年同期から23%改善して3,700万ドルとなっています。為替インパクトを除いた実質ベースでは、売上が5%減なのに対して、営業活動EBITDAは30%改善しています。
2015年度通期の実績を見ると、売上は前年比12%減の11億600万ドル、営業活動EBITDAは前年度から5%改善して9,800万ドルとなりました。為替インパクトを除いた実質ベースの売上は4%減ですが、営業活動EBITDAは15%改善しています。この売上減の主な要因としては、外国為替の影響に加え、ブラジル、日本、中国を中心とする経済の不安定化、そして競争に伴う価格圧力等が挙げられます。
PSDで注目すべき事例としては、Sonoraプレートの製造拠点をイギリスからアメリカへ移したこと、新製品「Kodak Electra Maxサーマルプレート」と「Kodak Libra VPデジタルプレート」のリリース、そしてKodak NexPressデジタルカラープロダクションプレスの導入実績が67台から78台と16%ほど伸びたことが挙げられます。
エンタープライズ インクジェット システムズ事業部(EISD)の2015年度第4四半期の売上は、前年同期の4,700万ドルから5,000万ドルに増加し、為替インパクトを除いた実質ベースで500万ドル増となりました。営業活動EBITDAは、前年同期のマイナス800万ドルから400万ドル改善してマイナス400万ドルとなり、為替インパクトを除いた実質ベースで500万ドル改善しました。
2015年度通期の実績を見ると、売上は前年度の1億8,500万ドルから1億7,300万ドルに減少しましたが、為替インパクトを除いた実質ベースでは200万ドル改善しています。営業活動EBITDAは、前年度から1,800万ドル改善してマイナス2,600万ドルとなりました。この持ち直しは、従来型のKodak Versamarkで減益となったものの、Prosperでの消耗品の伸びやコストダウンによる改善がそれを上回ったことの表れです。
マイクロ3Dプリンティング&パッケージング事業部(MPPD)はKodak Flexcel NXシステムの伸びにも支えられ、年間を通して順調でした。2015年度第4四半期の売上は前年同期から500万ドル減の3,100万ドルでしたが、為替インパクトを除いた実質ベースでは200万ドル(6%)減となっています。営業活動EBITDAは前年同期から横ばいのブレークイーブンでしたが、為替インパクトを除いた実質ベースでは200万ドル改善しています。
ソフトウェア&ソリューションズ事業部(SSD)も年間を通して好調を維持しました。2015年度第4四半期の売上は、前年同期からほぼ横ばいの2,700万ドル、為替インパクトを除いた実質ベースで2,900万ドルとなっています。営業活動EBITDAは、300万ドルから400万ドルに改善しました。
2015年度通期の実績を見ると、売上は前年度の1億800万ドルから1億1,200万ドルに増加しました。営業活動EBITDAは300万ドルから900万ドルに改善し、この前年比600万ドルの改善は為替インパクトを除いた実質ベースで900万ドルとなります。この改善は、Kodak Technologyソリューションでの増収ならびにUnified Workflowソリューションの運営効率向上によるコストダウンで達成されたものです。
コンシューマー&フィルム事業部(CFD)の2015年度第4四半期の売上は、前年同期の8,700万ドルから6,300万ドルに減少しました。営業活動EBITDAは1,700万ドルから1,400万ドルに減少しています。今期の売上と営業活動EBITDAには、契約改定によるブランドライセンス収入500万ドルが含まれ、これが当初から予測されていた減収を相殺する形になりました。
2015年度通期の実績を見ると、売上はコンシューマー向けインクジェットでの減収41%が響き、3億5,200万ドルから25%減の2億6,500万ドルとなりました。営業活動EBITDAも6,600万ドルから5,200万ドルに減少しましたが、これは想定内の減少です。フィルムは当初の目標通り、本社費用配賦前の営業活動EBITDAベースで4四半期連続の黒字となりました。
知的財産ソリューションズ事業部(IPSD)の2015年度通期の売上は、一定水準をクリアしました。営業活動EBITDAはワンタイムの知的財産ライセンス収入を除き、前年度のマイナス3,000万ドルから800万ドル改善してマイナス2,200万ドルとなりました。この改善は、研究プロジェクトでの徹底的な経費削減によるものです。一般会計原則ベースの営業活動EBITDAは、前年度のワンタイム知的財産ライセンス収入7,000万ドルにより6,200万ドル減となりました。
イーストマン ビジネス パーク事業部(EBP)の2015年度通期の売上は、前年度から微減の1,300万ドルとなりました。営業活動EBITDAは前年度の100万ドルから200万ドルに増加しています。EBPは全般に経営効率を高めており、入居希望企業数も増加傾向にあります。
戦略的製品・技術についての決定
最近、コダックはエンタープライズ インクジェット事業とシルバーメタルメッシュ タッチセンサー事業について、戦略的決定事項を発表しました。現在は、Kodak Prosperエンタープライズ インクジェット事業の売却について、Prosperプレスプラットフォーム、Prosper Sシリーズインプリンティングシステム、その他関連製品を含めた協議を売却候補先と進めています。今回の売却手続きに際しては、独立投資銀行のSagent Advisors社およびヨーロッパの企業融資顧問会社であるDC Advisory社に協力を依頼しています。なお、両社は共通株主である日本の大和証券と協力してまいります。
ジェフ クラークは次のように述べています。
「Prosper事業には成長の可能性が十分にありますが、今後は次世代のインクジェットライティングシステム『Kodak ULTRASTREAM』が導入されることで、さらに大きく発展していくはずです。Prosperの可能性を十分に引き出すには、デジタル印刷市場での売上が大きく、そこに販売ルートもある企業に活用してもらうことがベストだと思います」
タッチスクリーンセンサーを含むファンクショナル3Dプリンティングはコダックの事業の中でも重要な地位を占めており、コダックは引き続きこの分野で最先端技術の開発を進めていきます。これまでは、銀と銅双方のメタルメッシュテクノロジーを進化させてきましたが、今後は「銅」に注力することを決定しました。ジェフ クラークは次のように述べています。 「業界関係者からのフィードバックを見ても、コダックの完全添加タイプの銅メタルメッシュが『全体のコスト』『セットアップのコスト』『大型スクリーンへの拡張性』のすべてで勝てるアプローチであることは明らかです」
今後、シルバーメタルメッシュの開発は中止しますが、タッチスクリーンセンサーのメーカー様向けの銀塩フィルム供給は継続します。
※本プレスリリースは米国イーストマン・コダック社より2016年3月15日
付けで配信された英文のプレスリリースの日本語訳です。